ニュースを見て感じたこと

※こちらの記事は素人の私個人の意見ですので、的外れであったり批判などあるかもしれません。少しでも気になる方は閲覧をご遠慮いただきますよう、予めご了承ください。

 

 

 

今ニュースで「小児救急医療」の特集を放送していました。

柚子も生まれつき疾患を沢山抱えていたので、沢山病院にお世話になりました。ニュースの内容は大きく分けて①小児科の減少②小児科医の過酷な労働体制③それによる小児科医師の減少の3つでした。北九州にある24時間受け入れOKの救急病院で、インタビューを受けていた先生は、その日終わってみると40時間の勤務だったそうです。子供は突発的な熱が出たり、体調を崩しやすいので、夜中でもひっきりなしに救急車で搬送されてきていました。その結果、労働時間が予定外に延びてしまいました。しかし医師にとってはそれが日常だったようです。

 

 

 

柚子がNICUを退院して1ヶ月半後、生後4ヶ月半でした。咳が出ていて土曜午前中に柚子の産まれたA病院にある小児科に診せたところ、ネブライザーを貸し出しされて、様子を見るように言われました。「もし悪化したら近隣にある救急受け入れのあるB大学病院にこちらで日中診察を受けた旨を伝え、FAXで状況を書いた用紙(小児科で事前にいただいていた)を送ってください。受け入れるように連絡しておきます。」と言われました。

 

病院から帰り、3時間程でみるみるうちに柚子の様態が悪化していきました。呼吸をする度に咳が出て、唇の色も悪くなってきたので、すぐに救急車を呼びました。救急隊員の方に今朝からの流れを話し、小児科に言われたB大学病院へ連絡してもらいました。すると「受け入れられません」と言われました。私達素人には理由はわかりません。ベッドが無いのか、先生が足りないのか。すぐに少し離れた大きなC病院に連絡してくださったのですが、そちらも混み合っていたようで「少し待つかもしれませんが、来ていただいて大丈夫です。」とのことで、柚子は長いやり取りの中でC病院に運ばれました。着くとよっぽど悪かったようで、順番を繰り上げてすぐに処置室に運ばれました。私たちは何時間も廊下で待っていたような気がします。でも、救急隊員の方とC病院のおかげで、生きている柚子に会うことができました。

 

その時は何も考えられなかったのですが、落ち着いた頃に「昼間に聞いた話は一体何だったのだろう」と疑問を抱くようになりました。ニュースでよくやっているたらい回しとはこのことなのか?約1年後、柚子のお友達が救急搬送を必要とした際にもB大学病院からはやはり断られてしまったそうです。正直、何の為にある救急病院なんだろう。と思いました。

 

 

先ほどのニュースでは、専門家が「小児医療の現場の負担を軽くするためには、親御さんが自宅看護の知識をしっかり持ち、このくらいなら様子を見ようという判断できるようになることも必要」と言っていました。他にも、小児科病院や医師が減っていることに対して、子供は処置などの作業的負担が多い割には処方される薬などの量が少ないので病院への収入が少ないことや、親からのクレームや訴訟が多いそうです。つまるところ、行政のテコ入れの他に、親が出来ることはして病院の負担を軽くすれば、本当に救急医療が必要な子が受け入れてもらえるということなのでしょうか。私は素人なので的外れな事を言っているのかもしれませんが、救急車をタクシー代わりにする方や病院をホテル代わりにするような方が減ればいいと強く思います。

 

 

柚子が最後に入院した時、先生や看護師さんはニュースでやっていたように、過酷な労働の中で100%の判断・処置が出来ていたのだろうか。私が飲食店で働いていた時、忙しくて疲労が溜まっていくと社員でもアルバイトでも判断力が鈍り、食器を割ってしまったりお釣りを間違えてしまったり、いつもは絶対しないようなミスが発生します。柚子もあの日、あの食器のように割れてしまったのか。しかしそんな事は無いと今は信じるしか無いです。

 

もし1日早く病院に連れていっていたら、もっといつもと違う点を強く先生に伝えていたら、自宅での吸引の回数をもっと増やしていたら、あの日外出しなければ…こんな後悔を繰り返しても辛い思いが残るだけで時間は戻せないので、今はあの時までが柚子の命の期限だったのだと思うしかありません。今私が出来ることは、柚子と関わった医療関係者の方々が何か一つでも感じてくださり、柚子の命が無駄ではなかったと信じるしかないのです。でも、これが一番割り切れなくて辛いです。

入院中いつも柚子はお利口でした
入院中いつも柚子はお利口でした