こちらのページでは柚子の病気に関する説明をざっくりと説明しようと思います。
もしかしたら誤解を招く表現や誤植、間違いがあるかもしれませんが、お気付きになられたらご連絡頂きたく思います。
今後も随時、追記していきます。
染色体異常
異常がない場合、22対の常染色体と1対の性染色体の計46本からなっています。染色体はセントロメア(細胞分裂時には動原体を形成し、紡錘糸と繋がる部分)を境に短腕と長腕に分けられ、柚子の場合は13番の長腕の先端が少し欠けています。染色体が欠けている状態を部分欠失や部分モノソミーという言葉で表現されます。
常染色体の部分欠失では、症状として知的障害、発達障害、臓器奇形等が挙げられますが、染色体のどの情報が欠けているかで大きく症状が異なる為、一概に症状を挙げる事が困難です。
柚子の13番染色体部分欠失は非常に稀で、先生方に資料を探して頂いているにも関わらず、世界的に見ても情報がほとんどない状態です。これは欠失してる部分が厳密に同じ症例がなかなかないという事なのでしょうが、情報がない事は大変不安です。
動脈管開存症
patent ductus arteriosus:PDA
先天性心疾患の一つ。
母親のお腹の中にいる胎児の時には、肺で呼吸をしていない為、全身を巡ってきた血液を肺に送り込む必要がありません。その為に胎児期のみに肺動脈から直接大動脈へ流れるように動脈管という短絡経路があります。通常は生まれてから数日、長くても数週間で閉鎖しますが、このPDAという疾患では開存したままとなってしまっています。
動脈管が開存したままだと、今度は全身を巡らなければならない大動脈の血液が肺動脈に流れていってしまい、心臓に大きく負担がかかります。
柚子の場合、心臓へ負担がかかる事で心臓が通常よりも大きくなってしまい、気管を圧迫していた傾向がありました。肺炎で入院していた時であった為、呼吸を楽にする意味でも動脈管を結紮する手術を行いました。
この動脈管結紮術を行った事で、心拍数もかなり落ち着き、心臓の大きさも小さくなってくれました。
心室中隔欠損症
Ventricular septal defect:VSD
先天性心疾患の一つ。
左心室、右心室の中隔に穴が開いており、血液が行き来してしまう疾患です。穴が大きい(1cm程度)場合、疲れやすい傾向であったり、動悸を生じることがあります。
柚子の場合は穴の数は複数ありますが、一つ一つの大きさはかなり小さいので経過観察となっています。成長により塞がる事もあるそうなので、塞がる事に期待しています。
気管支軟化症
息を吐く時に、気管支の断面が扁平状になりやすい傾向にあり、内腔が狭くなってしまう病気です。柚子の場合、気管支を支えている軟骨が弱い(もしくは無い)為か、先天的に発達不十分かが原因であると思われます。
この病気の為に肺炎に罹りやすいようです。
脳梁欠損症
Agenesis of the Corpus Callosum:ACC
左脳と右脳を繋いでいる神経の束である脳梁が欠損している疾患で、柚子の場合は完全欠損です。
重度の知的障害と発達障害を伴う事が多いそうですが、逆に無症状で健常児者として生活している場合もあります。
髄膜瘤
脳や脊髄を包む髄膜に出来た瘤です。柚子の場合は脊髄ではなく頭頂部にあり、その部分だけ頭蓋骨が欠けている事がMRIで分かっています。産まれた当初からタンコブのようになっており、脂肪の塊かと思われていましたが、NICUを退院する際に受けた検査で発覚しました。先生もはっきりとは分からないようですが、脂肪ではなく髄液であろうと思われています。現在は髄膜、皮膚で包まれていますが、もし鋭利なもので皮膚が破けてしまうと大変なので、柚子の呼吸系が安定してから手術をする予定になっています。
誤嚥性肺炎
唾液や胃液が誤って肺へ流れてしまい、炎症を起こす事によって発症する肺炎です。咳がうまく行かなかったり、嚥下機能が低下していると起こりやすいようです。柚子の場合、気管支軟化症もあり嚥下機能があまり優れていない事で発症しやすいようです。重篤化すると生命の危機まで考えられる病気なので怖いですね。